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ブランド運用

ブランドガイドラインの作り方|最低限そろえる6項目

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要点

ブランドガイドラインは、社外の人がロゴやブランドを迷わず使えるようにするための決まりをまとめた文書です。最低限そろえるのは、ロゴデータ一式・使用禁止例・クリアスペース・最小使用サイズ・ブランドカラー(HEX・RGB・CMYK)・連絡先の6項目で、上の3つだけでも実務の大半は回ります。配るときはPDFを送るのではなく、常に最新版が置かれたURLを1つ案内します。

目次10
  1. ブランドブックとの違い
  2. 何のために作るのか
  3. 最低限そろえる6項目
  4. 目次テンプレート
  5. ファイル形式の選び方
  6. カラーの指定方法
  7. 書体の指定
  8. 社名・サービス名の表記
  9. 禁止例は文章より図で
  10. 作ったあとの配り方

ブランドガイドラインと聞くと、数十ページのブランドブックを思い浮かべるかもしれません。ただ、社外の人がロゴを使う場面で実際に参照されるのは、そのうちの数ページです。

この記事では、デザイン専任がいないチームでも用意できる最低限の6項目と、そのあと必ず起きる「配ったのに古いルールが使われ続ける」問題への対処をまとめます。

ブランドガイドライン・ブランドブック・VI/CIの違い

言葉が混ざりやすいので、先に整理します。呼び方よりも、誰に何を渡すためのものかで考えると迷いません。

  • ロゴレギュレーション:ロゴの扱い方だけを定めた最小単位。クリアスペース、最小使用サイズ、使用禁止例が中心です。社外に渡す機会が最も多いのはこれ。
  • ブランドガイドライン:レギュレーションに加えて、カラー・書体・表記ルールなど、ブランドを表現するときの決まりをまとめたもの。この記事が扱うのはここです。
  • ブランドブック:理念やブランドの人格、トーンまで含めた読み物。主に社内の目線を揃えるためのもので、社外の人がロゴを使う判断には使いません。
  • VI / CI:VI(ビジュアル・アイデンティティ)は見た目の体系、CI(コーポレート・アイデンティティ)は理念を含む企業の在り方全体を指します。ガイドラインはVIを運用可能な形に落とした文書、と捉えると位置づけがはっきりします。

何のために作るのか

ガイドラインの目的は、デザインの自由を縛ることではなく、他人が判断に迷う回数を減らすことです。メディアからロゴを求められたとき、パートナー企業が事例ページを作るとき、社員が登壇資料を作るとき。そのたびに誰かが「これでいいですか」と確認してくるなら、その確認の答えを文書にしたものがガイドラインです。

逆に言えば、問い合わせが来ていない項目は書かなくていいということでもあります。完璧な体系を目指すより、実際に聞かれた質問から埋めるほうが早く役に立ちます。

最低限そろえる6項目

優先度の高い順に並べています。上から3つまで用意できれば、実務の大半は回ります。

  1. ロゴデータ一式。使ってよいバリエーション(横組み・縦組み・シンボル単体)と、明るい背景用・暗い背景用。
  2. 使用禁止例。実際にやられがちな改変を、図で示す。
  3. クリアスペース。ロゴ自身の一部を単位にした相対指定で。
  4. 最小使用サイズ。画面表示と印刷で別に。
  5. ブランドカラー。HEX・RGB・CMYKを併記。
  6. 連絡先。判断に迷ったときの質問先。

目次テンプレート — 章立てから決める

白紙から書き始めると必ず止まります。次の章立てをコピーして、埋まる項目から書いてください。空欄のまま残った章は、今のところ必要ないということです。

  • 1. ロゴ — 基本形と使用できるバリエーション
  • 2. ロゴ — クリアスペースと最小使用サイズ
  • 3. ロゴ — 背景の使用可否
  • 4. ロゴ — 使用禁止例
  • 5. カラー — 基本色と指定値(HEX / RGB / CMYK)
  • 6. 書体 — 指定書体と代替フォント
  • 7. 表記 — 社名・サービス名の書き方
  • 8. 問い合わせ先

ページ数は目的ではありません。8章すべてが1ページに収まっても、条件を満たしていれば十分に機能します。

ファイル形式の選び方

配布するファイルは、用途から逆算して決めます。迷ったら、SVGとPNGの2つを必ず含めるのが基本です。

SVG(ベクター)

拡大しても劣化せず、Web・印刷どちらにも使えます。看板でもファビコンでも同じファイルで足ります。ただしテキストをアウトライン化せずに書き出すと、相手の環境にフォントがなく表示が崩れます。書き出し前にアウトライン化してください。

PNG(ラスター、背景透過)

ベクターを扱えない相手(スライド作成ツール、簡易CMS、SNSの入稿欄)向けに必要です。使われる最大サイズの2倍程度を目安に、余裕のある解像度で用意します。

PDF・AI

印刷会社や制作会社とのやり取りで求められます。一般公開する配布ページに置くかは任意ですが、置いておくと入稿のたびの往復が減ります。

推奨

1つのZIPにまとめるのではなく、形式ごとに個別ダウンロードできるようにする。

ファイル名に組織名・バリエーション・背景色を含める(例: acme-logo-horizontal-dark.svg)。

避ける

JPEGでの配布。背景が透過できず、圧縮でエッジが汚れます。

「logo_new_final2.png」のような履歴が読めないファイル名。

カラーの指定方法

ブランドカラーは、使う媒体ごとに表記を分けて書きます。Web用のHEX(#RRGGBB)だけを載せて印刷で色が合わない、というのがよくある失敗です。

  • 画面表示: HEX または RGB
  • オフセット印刷: CMYK、必要なら特色(DICやPANTONEの番号)
  • 主要色のほかに、文字色として使える濃い色・背景に使える淡い色があると実務で助かります

もうひとつ書いておくと親切なのが、文字色として使ってよいかです。彩度の高いブランドカラーは、白背景に小さな文字として置くとコントラストが不足します。「見出しの背景色としては可、本文の文字色としては不可」といった但し書きがあると、アクセシビリティの事故を減らせます。

書体の指定 — 代替フォントまで書く

6項目に書体を入れなかったのは、社外の人がロゴを使うだけなら不要だからです。ただし、資料や共同のキャンペーンでブランドを表現してもらう場面があるなら必要になります。

書くべきは3つです。

  • 指定書体(和文・欧文それぞれ。ウェイトも含めて)
  • ライセンスの扱い。相手が同じフォントを持っているとは限りません。配布できないフォントなら、その旨を明記します
  • 代替フォント。これが最重要です。指定書体が使えない相手が必ず出るので、そのときに何を使ってよいかを書いておかないと、各自の判断でばらばらになります

社名・サービス名の表記ルール

日本語圏では、ロゴ以上に事故が起きるのが表記です。ロゴは画像なので崩れれば気づきますが、文字表記は間違ったまま何年も流通します。次を明記してください。

  • 正式表記(英字か、カタカナか。例:「MediaKit」か「メディアキット」か)
  • 大文字・小文字(例:「MediaKit」を「MEDIAKIT」「Mediakit」と書いてよいか)
  • スペースの有無と、全角・半角のどちらを使うか
  • ™ や ® を付けるか。付けるなら、初出のみか毎回か
  • 略称を認めるか(認めるなら、どの表記までか)
  • 株式会社の位置(前株・後株、英語表記での Inc. / Co., Ltd. の扱い)

「禁止例」は文章より図で

「ロゴの改変を禁じます」と一行書いてあるだけのガイドラインは、ほぼ機能しません。改変しているつもりのない人が改変するからです。幅だけ引き伸ばす、影をつける、背景写真の上に直接置く。いずれも本人は「普通に使った」つもりです。

効くのは、実際に崩れたロゴの画像を並べて、それぞれに×をつけることです。文章で読む注意書きより、視覚的に「これはダメな形だ」と覚えてもらうほうが定着します。最低でも次の4つは用意したいところです。

  • 縦横比を変えたもの
  • 色を変えたもの
  • 効果(影・光彩・枠線)を足したもの
  • 背景とのコントラストが不足しているもの

作ったあとの配り方

最後に一点だけ。PDFにまとめてメールで送る運用には構造的な問題があります。相手の手元にコピーが残り、更新が届かないことです。ロゴを刷新しても、2年前に送ったPDFを持っている相手はそれを使い続けます。

対処はひとつで、常に最新版が置かれているURLを1つ決めて、そこを案内することです。ファイルを送るのではなく、場所を教えます。置き場所の選択肢の比較と、URLの決め方は自社ロゴの「公式配布ページ」を持つべき理由で詳しく扱っています。

MediaKit™で作る場合、ロゴ・カラー・使用ルールを登録すると、クリアスペースや最小使用サイズの図は自動で描かれます。手順はアップロードガイドに、実際の公開例は掲載組織一覧にあります。

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