ロゴのガイドラインで最も聞かれるのは、「余白はどれくらい空けるのか」と「どこまで小さくしてよいのか」の2つです。ここが曖昧だと、ガイドラインは守られません。
この記事は、ロゴを配る側が、この2つの数値をどう決め、どう書くかを扱います。使う側の判断は他社ロゴの使用許可と改変NG例にまとめています。
クリアスペースとは何か
クリアスペース(アイソレーションエリアとも呼びます)とは、ロゴの周囲に確保する、他の要素を置かない余白のことです。近くに文字や図形があると、それがロゴの一部に見えてしまい、ロゴの形が読み取れなくなります。余白は、ロゴが別のものと見間違えられないようにするための決まりです。
クリアスペースは、どの単位で書けばよいのか
ロゴは、名刺にも看板にも使われます。余白を「10px」のような固定値で書くと、大きさの違う場面で崩れます。そこで、ロゴ自身の一部を単位にして、「ロゴの高さの1倍」のように書きます。ロゴを拡大縮小すれば、余白も同じ割合で変わります。
| 単位 | 意味 | 向くロゴ |
|---|---|---|
| ロゴの高さ(Logo height) | ロゴ全体の高さを 1 とする | 横長のロゴ、水平セット |
| ロゴの幅(Logo width) | ロゴ全体の幅を 1 とする | 縦長のロゴ、垂直セット |
| ピクセル(Pixel) | 画面上の固定の大きさ | アイコンなど、大きさが決まっている場面 |
シンボルの高さを単位にする書き方もあります。どれを選んでも、同じ種類のロゴには同じ単位を使い、ガイドラインの中で単位の意味を書いておきます。
なお、ロゴ画像からは文字やシンボルの大きさを読み取れないため、MediaKit™ で選べるのは、ロゴ全体から測れる単位だけです。文字やシンボルを単位にしたいときは、ガイドラインの本文に言葉で定義してください。図では描けません。
余白の数値はどう決めるか
- 単位を選ぶ。横長のロゴなら高さ、縦長のロゴなら幅を基準にすると、図に描いたときに分かりやすくなります。
- 基準の数値を置く。迷ったら、単位の1倍から始めます。MediaKit™ は、数値が未設定のとき「ロゴの高さの1倍」を公開ページに示します。
- いちばん窮屈な実例で確かめる。名刺の隅、アプリのヘッダー、スライドのフッターなど、実際にロゴを置く場所で、その余白が取れるかを試します。取れない値は、書いても守られません。
- 数値を調整する。実例で守れないなら、数値を小さくするか、余白を取れない場所で使う形(シンボルだけなど)を別に用意します。
- 例外を書く。「余白を取れない場合は、シンボルのみを使う」のように、守れないときの逃げ道を書いておくと、自己判断で崩されません。
最小サイズはどう決めるか
最小使用サイズとは、これより小さくすると、ロゴの細部が潰れたり、文字が読めなくなったりする下限のことです。決め方は次のとおりです。
- 実寸で確かめる。画面なら拡大せず等倍(100%)で表示し、印刷なら試し刷りをして、いちばん細い線と、いちばん小さい文字が読める大きさを測ります。
- 余裕を持たせて、切りのいい数値にする。ぎりぎりの値ではなく、少し大きめに丸めます。
- ロゴの種類ごとに決める。シンボルだけのロゴは小さくでき、文字を含むロゴや、横に長いロゴは大きさが要ります。
- 画面(px)と印刷(mm)を別々に決める。画面のpxは、表示する機器の解像度と拡大率で実際の大きさが変わるので、mm とは1対1で換算できません。
最小サイズは、余白と違って、ロゴに対する割合ではなく絶対的な大きさ(px か mm)で書きます。「ロゴの幅の1倍」は、最小サイズの意味を成さないためです。
数値の見当がつかないときの、MediaKit™の参考値
MediaKit™ は、組織が最小サイズを設定していないロゴの種類に対して、次の参考値を公開ページに表示します。業界の標準値ではなく、MediaKit™ の参考値です。出発点として使い、自社のロゴで実測した値があれば、それを優先してください。
| ロゴの種類 | 画面(px) | 印刷(mm) |
|---|---|---|
| シンボル | 24 | 8 |
| ロゴと文字(ロゴタイプ) | 80 | 20 |
| 垂直セット | 64 | 16 |
| 水平セット | 96 | 24 |
数値は、シンボルより文字を含むロゴのほうが大きくなり、横に長い水平セットがいちばん大きい、という順になっています。画面(px)と印刷(mm)は別々の目安で、一方から他方を換算した値ではありません。
守られるガイドラインは、どう書くか
「十分な余白」「小さすぎないように」では、人によって解釈が変わります。数値と単位を書くのが基本です。
NG
ロゴの周囲には、十分な余白を確保してください。
ロゴは、小さくしすぎないでください。
OK
ロゴの周囲に、ロゴの高さの1倍以上の余白を確保する。
水平セットは、画面で幅96px、印刷で幅24mmより小さくしない。
余白と最小サイズは、図でも示す
文章の数値だけでは、実際の余白の広さがつかめません。ロゴの周りに余白の範囲を描いた図を添えると、見た人がそのまま真似できます。
MediaKit™での扱い
MediaKit™ のガイドライン設定では、ロゴの種類ごとに数値と単位を入れると、公開ページに余白の図が自動で描かれます。図は、ロゴ画像の実際に描かれている部分を測って作られ、設定画面のプレビューがそのまま公開ページに出ます。数値を空欄にすると標準のルール(ロゴの高さの1倍)が使われ、種類ごとにオフにして非公開にすることもできます。最小サイズも同じ画面で設定しますが、ロゴの種類ごとに px か mm のどちらか1つです。もう一方の単位は、概要欄などに書き添えてください。設定の手順はアップロードガイドにあります。
- 余白を、ロゴ自身の一部を単位にして書いた
- 余白は、ロゴが描かれている範囲の端から測ると明記した
- いちばん窮屈な実例で、その余白が取れることを確かめた
- 余白を取れないときの逃げ道(シンボルのみ、など)を書いた
- 最小サイズを、実寸で測って、画面のpxと印刷のmmで別々に書いた
- 数値と単位を書き、図も添えた
ガイドラインに何を書くかの全体像はブランドガイドラインの作り方に、ロゴの配布ファイルの形式はロゴのファイル形式の違いにあります。